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ブレーキのエア抜きをひとりでするとき、フルード受けにワンウェイバルブを用いたいわゆるワンマンブリーダーだけではブレーキペダルを抜いたときの負圧でブリーダーバルブからエアーが入る可能性があります。 どうにかならんもんかと調べたらマスターシリンダー上のタンクを加圧しながらエア抜きすることでこれを防ぐ「加圧式ワンマンブリーダー」というツールが売ってるではないですかっ。 ただ唯一入手法が分かった MACTOOLS のものは巨大でしかも高価でした(3 万円ぐらいしたような)。 ならばということで園芸用噴霧器で作成したのが写真の初代。 手押しポンプで加圧し取っ手のボタンでエアーが出る仕組みです。 デベソのようなバルブで電動空気入れも使え、タンクにフルードを入れておけば補充もしてくれるスグレモノ、すごいっ! のハズだったんですが 1.5l ものタンク容量を手押しで加圧するのはかなり大変で、電動空気入れはセッティングが結構面倒。 フルードの自動補充だって失敗すれば一面びちゃびちゃになりかねません。 せっかく 5kg/cm^2 をクリアするものに仕上がったんですが正直こんなもの使えません。
ということで長い前置きでしたがいつもの パンピング GT-R さんとこで見つけたシンプルタイプを模倣した報告です。 |
泣ける初代 | |||
いきなり使用中の写真。 ポンプを握ると加圧されたフルードがニュ〜っと出てくるのでその時ブルーダーバルブを閉める、ってなふう。 押すのが大変ですがリヤだってもちろん OK。 エア噛みの具合を見ながら作業ができちゃいます。 同じ色なので分かりづらいですがバルブにつながってるのは単なるフルード受けのホース。
なおエア抜き作業全体は [ブレーキフルードのエア抜き/交換をする] を参照ください。 |
加圧中 | |||
ポンプをどうするかですが、もちろん最初は [1] の大作(?)を使うつもりでしたが前述の通り断念。 ここは何も考えず パンピング GT-R さんと同じくカメラなどのレンズについたホコリをとばすゴム製のニギニギ(名称不明)にします。 500 円ぐらい。 |
イチジク浣腸 | |||
ゴム製のニギニギ(名称不明)自体に尻から吸って頭から出す簡単なワンウェイ機能がついてるんですが加圧時に負けちゃいますので、別途ワンウェイバルブを準備します。 写真がバイク用品店で購入したもの、1,000 円。高すぎ。 パンピング GT-R さんと同じようなきんぎょ用の安価なものを買ったんですが、思いきり加圧したらあっけなく壊れてしまいました。 |
ワンウェイバルブ | |||
さて次は結構面倒な、ブレーキマスターシリンダーのタンクにつける耐圧キャップの作成です。
まず日産ディーラーなどで純正のキャップを買ってきてください、1,200 円ぐらい。 |
純正のキャップを加工 | |||
裏側の写真。 もともと入っているゴムシートはめくり取ってあります。 キャップ裏にあるタンク内の空気を出し入れする 2 本の溝が今回の加圧用途でじゃまなので、平らになるようボンドなどで上手に埋めます。 パイプと次の項のシールがぴったりくっつくならこれはテキトーで OK。 |
キャップの裏 | |||
一度めくり取った純正のゴムシートをキャップに戻しただけのシール状態では加圧に耐えなかったので、キャップと純正シートの間に 1mm 厚のゴムシートを入れました。 なおこれはクルマの状態によって違うでしょうから間にはさむものの厚みや素材をいろいろ調整してください。 ちなみに 純正シートを含め 4 種類 をいろいろ組み合わせてぼくはこれになりました。 キャップをタンクはめるとき上から押しながらじゃないと少し回しづらいぐらいなのがいいと思います。 ただこれは [1] のために作った高圧に耐えるものなので手ポンプぐらいじゃこの底上げ(下げ?)自体不要かもしれません。 |
気密度を上げる | |||
[7] のシートを接着して耐圧キャップのできあがり。
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キャップできあがり | |||
手ポンプとワンウェイバルブ、キャップを 5m ぐらいのホースでつないで全部完成。 なんとなく曲がりに強そうなのでシリコンホース(ホームセンター切り売り)にしてみましたが結構高いしやっぱり折れ曲がるのでビニール製のもので充分かもしれません。 パンピング GT-R さんでは同じシリコンホースでも安価なきんぎょ用を使っていらっしゃいましたが今回の仕様では径があいません、残念。 |
完成 | |||
タンク側の引っかかりに負担をかけないようキャップを上から押しこみながら装着し、ホースに折れがないか確認してニギニギ準備完了。 フチにブレーキフルードなんか塗っておいたらキャップ脱着が楽かもしれません。 タンクの引っかかりが折れた場合、R33 はタンクだけ(2,000 円ぐらい)の注文ができますが R34 はマスターシリンダーごと(22,000 円ぐらい)買わなきゃいけないので注意してください。
手ポンプぐらいではたぶん大丈夫でしょうが特に [1] の高圧タイプではマスターシリンダーにささってるだけのタンクがすっぽ抜ける可能性がありますので、写真のようにタンクとマスターシリンダーをタイラップなどで巻いておけば万全です。
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タンク発射防止装置 | |||
■ 追加 ■
なんども使ってる内にフタ部分のパーツが全部とれちゃいました。 |
エポキシ接着剤 | |||
先に書いたように硬化時間が長いくせに粘性が小さいので、下向けておいておいたらこんなにグロく固ってました。 接着剤をパテ代わりにしてるのが悪いんですけど他にくっつける方法を知らないから仕方ありません。 まあそういう感じ(?)で時間をかけ全部びっちょりくっつけていきました。 |
とろけた生物の様相 | |||
■ 追記・修正
ついでにニギニギ(名称不明)も、もう少し軽く加圧できるものに交換しました。
さて使い心地ですが、これはニギニギより力がいらずとっても便利です。 |
2.5代目完成 | |||
■ 追加
キャップ上側の、キャップとパイプの固定がとれちゃいました。 中のゴムとパイプがくっついてればいい、キャップはただのおさえ的構造なので上側の固定はあんまりどうでもいいんですが、別の修理でたまたま使ってた「プラリペア」でついでに接着してみました。
入門キットで1,900えんぐらい、ジョイフルホンダで購入。 |
プラリペア | |||
プラリペアはいろんな色があるんですがぼくが持ってるのは黒色だったのでこんなヘンチクリンなことになってしまいました。 加圧時に動かない方向を考え裏側からパイプをぎゅーっと押さえてプラリペアをべたべた盛り10分ぐらい放置、もうほとんど完全固定です。 とりあえずそんで終わり。 |
黒い部分が補修あと | |||
このワンマンブリーダーのキモっぽいこの部分が一番テキトーくさいので今回ほんとはエアーツール用のニップルで上下からはさむ作戦を考えたんですが、買うニップルのオスメスを間違えたのでメゲ。 ただ今思うと、希望通りのものを買ってたとしても、そーとーうまく何らかの方法でシールしないとネジの隙間から空気が漏れちゃってたかも。 やんなくてよかったかも。 |
エア用ニップルと水道用品 | |||
実は今回久々にワンマンブリーダー使ったんですが、空気入れのピストンが動かない! 油ぎれ? ってことで、ボンドどめされてるんですが頭の部分をぐりぐりしてたら意外と簡単にはずれたので分解清掃・注油をしました。 矢印のところのOリング近辺にシリコン系(がいいのかよくわかりませんが)グリスをちょびっと塗ります。 分解が面倒な場合は頭の空気取り入れ口からスプレーグリスを少量を吹くだけでいいかも。 CRCとか普通の潤滑油はゴムを浸食する場合があるので注意。 |
ピストンを分解清掃 |