このページの内容は BNR34 と BCNR33 後期 で有効です。
R34 と R33 後期の(4 灯同時点灯)ヘッドライトはなんともとんまなことに、無灯時にパッシングするとハイビームだけじゃなくロービームも点いちゃいます。 知ってました? あわせて 6 年も乗ってて、先日ガラスの前でパッシングして初めて気づきました。 ハイビームだけでいいっちゅーの!! バルブ性能が上がってきてるとはいえキセノン(HID)は点灯ごとに寿命が縮んでいるのは間違いないなく、調べてみるとやはりこのまぬけな仕組みのためにパッシングをためらう人も結構多いみたいです。 ということでコソチューンでなんとかしてみました。
ちなみに同じ(?)放電管の蛍光灯では 1 回の点灯で寿命が 30 分減るそうです。 |
パッシング(イメージ) | |||
ハンドル奥の灯火類レバーの改造だけで済めばスマートで楽ちんなので、まずは分解してみました。 右パーツの各接点がレバー動作によってバコっと動き左の回路(?)をスライドして各種オンオフをする仕組み。 ちなみに動く接点は左から、ウインカー、レバー前後、レバーふちっこのくるくる回すやつに対応してます。
んで結果は、、、バツ。 |
レバーを分解 | |||
変更するにあたり灯火類の点灯回路がどうなっちょるかを知らねばなりません。 整備書にはオートライト車のシステム回路図が載ってましたが GT-R のものとはじぇんじぇん違うのであちこち引っぺがして調べてみました。 んでできたのが右図(イメージ)です。 図中のライトレバーのスイッチは内部での接続を表しており、外部のクルクルの位置ではありません。 ロービーム・ハイビームとも左右独立した回路になっているので実際はこれが 2 セットあると考えてください。 室内のレバーでハイビームが点灯するような動作をすると絶対ロービームも点いちゃう仕組み。 キセノン(HID)は点灯の瞬間にたくさんの電気が必要なので、こいつだけリレーで信号用と点灯用との電力を分けているようです。 |
照明回路(イメージ) | |||
昼間はロービームを点けずに、夜間はロービームが点いた状態でパッシングするにはどうしたもんかとちょっと考え、ポジション(車幅灯)が点いてないときはロービームが点かないようにするという方針でいくことにしました。 ポジションのみ点灯の時にはパッシングでロービームも点くことになりますが、まあそんな状態で走行することはないので問題なしですね。
次にそれを実現する回路をどこに設置するかですが、[3] の回路図中のダイオードがクルマのどこにあるのかわかりませんから、熱や水がとっても不安ですがエンジンルーム内のヒューズ・リレーボックス内に入れることにしました。 |
リレーボックスに設置する | |||
先に今回改良した点灯回路図(イメージ)を載せます。 仕組みはすんごく単純で、ポジションに電気が流れていない時はリレーでロービームの信号ラインを切っておくってだけ。 なお図にも書いておきましたがこの接続だとヒューズ切れなどでポジションに電気がこない時にはリレーも動作しないことになりどうやってもロービームは点灯しませんので、ヒューズより上流(?)からリレー駆動用電力(常時電源)を準備した方がいいです。 これはまあ配線した後に気づいちゃったんだから仕方ありません(笑)。 ポジションの球切れなどは無関係ですので実際には問題になることはほとんど無いと思います(から直してません)し、ヒューズ・リレーボックス内は常時電源ばっかなのでトラブル時の応急処置は簡単です(から直してません)。 |
改良後の回路(イメージ) | |||
増設部分完成。 リレーは DC12V で動作する 2C 接点(2 局? 2 回路??) 5A の OMRON G2R-2 12VDC (400 えんぐらい)を使いました。 先述の通りロービームは左右別回路ですから 2 接点必要です。 なお信号ラインのオンオフだけですからほんとは 5A も要りませんし、基板用じゃなくってコネクタがついてるタイプの方がよっぽど製作が楽なんですが、買いに行く無線機屋の在庫も無限じゃありませんから仕方ありません。
ポジションのヒューズ部分から駆動用電源を取ってボディーアースし、ロービームのリレーソケット部分の端子を抜いて間にはさむというつくり。
さてドシロートのぼくがいったいどうやってリレーを選べたかですが、無線機屋の在庫リストのソレっぽいやつを オムロン電子部品情報サイト の仕様書でいちいち確認してなんとなく決められました。 |
増設部分(一部ミス) | |||
純正リレーの外し方。 ってかなんでリレーにこだわるかっちゅーと、ヒューズ・リレーボックス内で比較的簡単に配線に触れるのがこのまわりしかないから。 [4] の写真の "HEAD L RH" と "HEAD L LH" がロービーム左右のリレーね(最後の "H" はハウジングの意?)。
写真のようにリレーとソケットのツメ(青色)の間にマイナスドライバーをつっこみ、リレーの頭を持ってグリグリ引っこ抜いてください。
|
リレーを外す | |||
ソケットの外し方。 抜いたリレーの下にあるツメをマイナスドライバーで前方(写真右側)に押しながら、ソケットを押し込みます。 ソケットは上に出ないんです、下に落ちるんです。 めんどくせー。 |
ソケットを外す | |||
んでようやくラインに手が届くようになったので [6] をロービーム部分に接続します。 このヒューズ・リレーボックスの中でソケットを転がしながら、リレー頭に描いてある端子番号を参考にラインをカットし [6] をハンダ付けするのが、それでも比較的ラクちん。 なんですが先にも書いたように純正配線はなるべく加工しないような方向でいってみました。 が、整備性の悪い後付けパーツのおかげで結構タイヘンでした(涙)。
この状態ではソケットから端子を抜くだけの充分な作業スペースが無いので、まずヒューズ・リレーボックスまるごと外すことを目指します。 |
リレーボックスを浮かす | |||
しかたないので外したフタのすきまからハミチンのような状態でソケットの加工を行います。 ソケット裏の白いカバーを、左右のツメ 2 カ所を外してからすきまに細い棒をつっこんでかき出すように抜きます。 結構長い形状なのと、なぜかすぐまた中に入っていこうとするのでなんだか不安になりますが、特になにもありませんから遠慮無くイってください。 |
すきまから引き出す | |||
ソケット内の端子は、先細の棒(なんて工具??)をつっこんでピンを倒しながら、裏のコードをゆっくり引っぱれば抜けます。
|
端子を抜く | |||
内心どうなることかと思ってた [6] のフツーの平型端子(サイズに注意)はうまいことそのままソケットにはまり、またロックもカンペキでした。 んで抜いた端子の方に [6] のもう一方を差し込み、ただこっちは結構簡単に抜けちゃうのでテープでぐるぐる巻きに固定して接続 OK。
これを左右ロービームどっちのリレーソケットにも行います。
|
代理ソケット端子 | |||
全部組み立てて、ポジションのリレー部分から駆動用電源を取ってボディーアースもつなげ、オーン! で実は失敗なのは先述の通り。。
[6] で長細いへんな基板形状にしたのはリレーソケットがささる部分と同じサイズにしたからなんです。 |
純正固定風(うそ) | |||
失敗の原因だったリレー駆動用の電源をどっから取ってくるかですが、ぱっとわかるところはポジション球コネクターの根本しかありません。 しかしポジション球のなんと抜きづらいことよ!! んでここんところにラインを増設(?)するんですが、黒のマイナスはそれで OK ですがプラス側は先述のヒューズ問題がありますから、まあいいあんばいのところをどっか探してください。 ハンダ付けにて接続しましたがエンジンルーム内ですからエレクトロタップの方がいいかもしれません(この場合は接触不良を防ぐため高価な 2 カ所ではさむタイプをおすすめします)。 んでこの後テープでぐるぐる巻きにして防水し、ポジション球を戻します。
どうでもいいことですが前オーナーによる エレクトロタップ使用痕を発見。 |
ポジション球根本に接続 | |||
[14] のコードの反対側はヒューズ・リレーボックス前方の穴から中へ(頑張って)通します。 ぼくは忘れてましたがここんとこはソケット(防水)にしとかないとヒューズ・リレーボックスを外すことができなくなります、まあ二度と外さないでしょうけど。 |
コードをボックス内へ | |||
んで完成。 [1] の写真は実はただのハイビームですが、この写真は正真正銘パッシング状態です(レバー裏にクッションをはさんで撮影)。 ポジションをつけない限りロービームは点灯しません。 これで遠慮無くパッシングができるってもんです。 うーん満足まんぞく。
動作確認が完了したらむき出しの [13] はテープでぐるぐる巻きにし防水しときましょう。
しかしなんで日産がこんなへんな仕組みにしてたのかがギモンです。 |
ハイだけ点灯 |